春の料理には苦みを盛りましょう
春の山菜、わらび。
スーパーで季節感あふれる食材を見つけると、どう調理するか分からなくても、飛びついてしまいます。
商品には、ご親切にあく抜き用の「木炭」までついていました。
生産者さんが、実際に使っている秘蔵アイテムをお裾分けしてくださったみたいで(真偽のほどは謎です)、なんだか嬉しくなります。
あく抜きの手順書までついていました。どこまで親切なの!(親切心なのかは分かりませんが)
だけどこんなに、あく抜きが大がかりだなんて、知りませんでした。。。
慣れない手順で頑張って作ってみたものがこちらの二品。
わらびの量が少なかったので、いんげんも入れました。異なる食感が楽しい。
わらび、人参、ごぼう、油揚げを、しいたけ・昆布だし、醤油等で煮て、その煮汁と具で玄米を炊きました。美味しくできたけど、炊き込みご飯も結構大変ですね。
正直、山菜をなめていました。
「今日、なんか食欲ないから、『山菜そば』でいいや。」お昼どき、安易にそんなことを口にしていた己を悔やみました。
この山菜がお蕎麦の上に乗るまで、どれだけ大変な道のりを歩んできたのか・・
慣れない食材を扱うのって、特に「あく」が強くて、山菜のようにエキゾチックな容姿の食材は、必要以上に警戒してしまいます。味見するのも恐る恐るでした。そのせいか、あくを抜きすぎて、春の山菜独特の「苦み」まで薄れてしまったような気もします。「正解」がよく分からない・・。
わざわざあく抜きに手間と時間をかけて、「苦み」を美味しくいただく。この「苦み」が、冬の間に縮こまっていた人の身体を目覚めさせてくれるということです。つまり、長い冬を乗り越え、春の訪れとともに芽吹くその力強い生命力を頂くということです。
季節のものを頂き、その命を頂き、生かされていることを実感します。